四季の子象たち@京都市動物園 その1
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2016年7月21日、初めて京都市動物園に行き、
ラオスから来た4頭の子象たちに会ってきました。
京都市動物園のアジアゾウは、
ラオスとの共同繁殖プロジェクトによって来日したゾウたちで、
動物園生まれの個体ではなく、
ラオスで仕事をしているゾウたちの子どもだということです。
ランサン=100万頭のゾウの国、と呼ばれたラオスでも、
森林の伐採などで野生のゾウは減っており、
使役ゾウも出会いのチャンスが減っているために、出生率がとても低い、と言われています。
2014年11月に京都市動物園にやってきたのは、
トンクン(現在8才)、カムパート(現在6才)、ブンニュン(現在6才)の3頭の女の子と、
トンカム(現在4才)の1頭の男の子で、
冬、春、夏、秋の生まれに合わせて、
冬美、春美、夏美、秋都という日本語名とのダブルネームになっています。
京都市動物園は、市営地下鉄の東山駅、蹴上駅の二駅利用可能ですが、ゾウを見るなら蹴上駅側からの入り口が便利です。
開演は朝9時。でもゾウ達が運動場に出てくるのは9時45分ごろ、となっています。
それを知らないで9時15分ごろ到着したので、15分くらい、爬虫類やスローロリスがいる室内展示場を見て、
ゾウ舎の左側のブラジルバクの運動場に近づくと、ゾウ舎の中でトレーニングをしていました。
一番手前で、冬美トンクンがトレーニング中。他の3頭はこの時間はトレーニングしていなかったようです。
飼育員さんの指示で足を上げたり、部屋の中を右回り、左回りに歩いたり、という内容です。
最後は、床に人参やさつまいもを置いた状態で、それを無視して指示に従って歩きました。
(もちろん、終わったらちゃんと食べられます)
アジアゾウのトレーニングを見るのはこれで5カ所目になります。
公立動物園では、ショーをさせるわけではないので、
ゾウのトレーニングの目的は、
健康管理、必要な時に指示に従って移動してもらう、エンリッチメント(知性の高いゾウには課題を与えることが刺激になる)
という点は共通していると思います。
が、やり方は園によって多少異なっていて、
京都の場合は、ラオスの仕事をしているゾウに対する、ゾウ使いさんのトレーニングを踏まえているのかな、と感じました。
京都では、間違えるとけっこうピシッと言われてました。
上野やズーラシアはもう大人のゾウたちなので、言われたことができない、はそうないんですよね。
冬美トンクンと、多摩のヴィドゥラは1才差くらいですが、多摩は準間接飼育なので、接し方が違うということもありますね。
できたらほめてご褒美を与えるのは、どこも同じです。
トレーニングが終わって、寝室から出た飼育員さんに、「そのかごにもっと何か入っているでしょ?」とおねだりする冬美トンクン。
トレーニング後、寝室の扉が開いて、子象たちが運動場に出ます。
あちこちに置かれている干し草ブロックでお食事です。
なんでこんなせせこましいところで食べているか、というと
夏美ブンニュンに秋都トンカムがちょっかいを出すので、
夏美ブンニュンがプールの上に張り出したコンクリートに逃げたところなんです。
ところがその後ろにぴったりくっついている秋都トンカム。
後ろの方では、子象たちが来る前から京都市動物園で暮らしている美都が外に出て食事をしていました。
本当は美都がいる場所は、将来、秋都トンカムが暮らす予定のオス用運動場とオス用ゾウ舎で、
今は、環境が変わって以来、運動場に出なくなってしまった美都が仮に使っています。
でも最近はすこしずつ、こうして外に出てくるようになった、ということでちょっと安心しました。
春美カムパートは夏美ブンニュンより3ヵ月お姉さんですが、背の高さは同じくらいで、ちょっとふっくらしています。
秋都トンカムは春美カムパートには軽くいなされてしまう感じ。
冬美トンカムは時々、鼻先を丸めて、パンパン!と地面をたたいていました。
「繁殖プロジェクト」ですから、みんな血縁関係はなく、
将来的には、3頭の女の子たちは秋都トンカムのお嫁さん候補になります。
今は冬美トンクンがみんなのお姉さん役。
夏美ブンニュンが鼻を冬美トンクンの口にいれて甘えています。
(その2に続く)
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