ゾウの知性
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5分
デジタルワークスペース、EVERNOTEのロゴマークにゾウ(耳の大きさからするとアフリカゾウのようですね)が使われているのは、
欧米では、ゾウは記憶力の良さ、のアイコンとなっているためだそうです。
ゾウの記憶力や知性についての動画
アメリカの高校生向け教育動画TED-Edの
「どうしてゾウはものを決して忘れないのか」(アレックス・ジェンドラー)
動画によると、
短期間サーカスで一緒にいたことがあるゾウが、23年後に再開した時にお互いを覚えていたそうです。
この動画アニメーションなので、アジアゾウのことを言っているのか、アフリカゾウのことなのか、
はっきりしないのですのが、両方含んでいるようです。
サーカスにいたり、使役に従事しているのはアジアゾウでしょうし、
密猟の話は多くはアフリカゾウでしょうから。
ゾウが色や12音階を理解する、ということも驚かされますね。
脳化指数
動画の中に脳化指数(EQ)という言葉が出てきます。
脳化指数は、ハリー・ジェンソンが1973年に考案した、
動物の知性の指標で
脳化指数=定数×脳の重量÷体重の2/3
ゾウは0.22でチンパンジーやクジラと同じくらいですが、
知性は、脳の重さだけではなく、
単位体積当たりの脳神経細胞の数にも左右されます。
ゾウには発達した海馬、大脳皮質があることも、
高い記憶力や社会性を持つ理由です。
ゾウは自己鏡像認知できる
鏡を見て、自分だ、と分かる「自己鏡像認知」は人間以外では、
類人猿の一部、イルカの一部、ブタ、カササギ、ゾウにある、とされています。
アジアゾウの鏡像認識についての論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17075063?dopt=AbstractPlus
鏡を見て、自分の額の左側につけられた×を触っているゾウの写真がかわいいです。
人間の場合、鏡に映った姿が自分だ、と分かるのは2~3歳です。
社会性、共感力
動画でもゾウの仲間意識の強さや共感する力について触れられていますが、
ゾウにとっては、ゾウ仲間や、動物園にいるゾウでは人間からの
ストローク(反応)はとても大切なものであるように見えます。
ターゲットトレーニングでは、ご褒美にエサは不可欠ですが、
「いいねえ」「よーし」という言葉、鼻を手でたたいてもらうなど
ほめられる
ということもご褒美になります。
動物園で見ていても、これは絶対に受けを狙っているなとか、
お客さんが喜んでいると思ってやっているな、と思わされることがあります。
ゾウは母系家族と、大人のオスの小さな集団に別れて暮らし、
メスの発情期(個体によって時期は異なり、3~4カ月に一度)に合わせて、
外からオスがやってくるため、
一夫多妻と説明されている資料が多いのですが、
日本の動物園では、多くてもオス1頭に、メス2、3頭、
またはオスメス1頭ずつのつがいで飼われていますが、
この場合は、パートナーに深い愛情を示すことが多いようです。
また、オスゾウは野生では子育てはしませんが、
東山動物園のコサラ、砥部動物公園のアフの様子を写真や動画で見ると、
自分の子どもだと分かっているのかはともかく、群れの中でケアしてあげなければいけない存在として、
優しく子どもに接しています。
野生でも、ゾウによっては、定期的に決まったメスのところに通ってくる、
といったこともあるのではないかな、と思います(全くの推測ですが。そういう研究はされているのでしょうか?)
高い知性ゆえの、難しさ
動画でも、ゾウは高い知性ゆえに
おそらく人間以外に唯一、心理的外傷を受ける動物である、という説明があります。
動物園での繁殖が難しいのも、
ペアリングや子育てには、本能やホルモンだけではなく、
ゾウとしての社会的な経験が必要だからなのだろうなあと。
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