「むかしむかしゾウがきた」ストーリー第1幕
読了までの目安時間:約
4分
劇団四季ファミリーミュージカル「むかしむかしゾウがきた」の
ストーリーについて。
第1幕
戦国時代の日本のある国でのこと。
ある日、町の「ひろめ屋」(江戸時代のかわらばん屋のようなもの)が、
「唐の国からこの国の殿さまにゾウが送られることになった」という大きなニュースを知らせます。
でも誰一人、「ゾウ」が何なのか知りません。
牛よりも馬よりも大きく、しかもうちわのような耳や、手のように動く長い鼻を持っている、と聞き、
どんな化け物なのか、と恐れる人々。
やがて、見慣れない衣装で異国の言葉を話す「唐の国のおつかい」に連れられたゾウが現れると
人々はさらにびっくり!
自分は日本を束ねる王ではない、という殿さまに、
唐のくにのお使いは「自分の調べによれば、あなたはやがて天下を取る。だから今から仲良くしたい、という証にゾウを連れてきた」と伝え、殿さまはすっかり気を良くします。
そしてなんでもたくさんよく食べるゾウに、よくくらう=九郎衛門と名づけ、
戦場でほら貝を吹く係である、太郎衛門にゾウの世話係を命じます。
太郎衛門と妻のおゆきは断ろうとしますが、
息子の太郎坊がゾウに興味津々のようすを見た唐のくにのお使いは「乗ってごらん、大丈夫だよ」と太郎坊に呼びかけ、
太郎坊と九郎衛門はすっかり仲良しになりました。
飼う場所や食べ物を心配する太郎衛門たちに、家老は「そんなことは殿さまが面倒を見てくださる」と言い、
殿さまもゾウ小屋を作り、お城から食べ物を運ばせることを約束し、
九郎衛門は、太郎衛門の家に住むことになりました。
したたかな外交官である「唐のくにのお使い」ですが、
ゾウがこの国で幸せになるように、仲良くなれそうな太郎坊に託す、という優しい面も見えます。
ちなみに、この役を演じるのは少なくとも2014年以降は中国人俳優さんで、
最初は中国語のセリフしか話しません。ネイティブなのでものすごくリアルです。
この後の場面で、子供たちが中国語で九郎衛門にあいさつする場面もあり、
町の人たちとも交流があったことがうかがえます。
九郎衛門は人々の人気者になり、
遠くの町や村からも、食べ物を持った人々が会いにきました。
一方、飽きっぽい殿さまはゾウのことなど忘れてしまったようです。
最初は九郎衛門を「化け物」と言っていたおゆきは、今では子供のように九郎衛門をかわいがっています。
ある夜、遠くの北の村から、おミヨという女の子が一人で九郎衛門をたずねてきました。
戦で両親を亡くし、祖父に育てられているおみよは、他の子どもたちが親と九郎衛門に会いに行った話を聞いて、
たまらずにおじいちゃんに黙って家を出てしまったのでした。
やっと九郎衛門に会えたおミヨは一晩太郎坊の家に泊まり、翌朝、牛車で家に帰ることになります。
そんなとき、南の国が攻めてきて、天下取りの戦が始まります。
殿さまは、戦になれば大量の食べ物を食べるゾウはじゃまになり、また戦のさわぎで暴れたり、敵に利用されたりするかもしれない、と考え、太郎衛門にゾウを殺すように命じます。
太郎衛門は、おゆきと太郎坊に、九郎衛門を連れて逃げろ、と命じ、戦に行きました。
忍びの黒鍬隊の手が迫る中、おゆき、太郎坊、九郎衛門は、おミヨの村を目指して
町を出て山道を進みます。
しかし一行は吹雪と雪崩に巻き込まれてしまうのでした。
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