劇団四季ファミリーミュージカル「むかしむかしゾウがきた」板橋公演2016年1月10日の感想
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2016年1月10日、劇団四季ファミリーミュージカル「むかしむかしゾウがきた」板橋公演を観ました。
今回の全国公演は3月末まで続きますが、この先、浜松などに遠征をする予定はないので、
これが私にとっての、今期最後のこの作品の観劇になりました。
当日の感想をまとめておきます。
2014年12月~2016年1月の約1年間で、私は「「むかしむかしゾウがきた」を
2014年12月~1月の東京公演と、全国公演では2015年11月8日千葉公演、2016年1月10日板橋公演、
全部で4回、観劇しています。
1年間で観たメインキャスト
太郎坊役:東京公演 島村幸大さん、千葉公演 横井漱さん、板橋公演 小林優さん
ひろめ屋:東京公演と板橋公演 飯村和也さん、千葉公演 岸佳宏さん
おみよ:すべての回で山中由貴さん
太郎衛門:東京公演 青山裕次さん、千葉公演 白倉一成さん、板橋公演 内海雅智さん
おゆき:すべての回で中野今日子さん
ゴンじい:東京公演、千葉公演 菊池正さん、板橋公演 吉谷昭雄さん
殿さま(松蔵):東京公演、千葉公演 鈴木周さん、板橋公演 高井治さん
家老(与作):すべての回で岡﨑克哉さん
七郎:東京公演 田島康成さん、千葉公演と板橋公演 小松貴行さん
唐の国のお使い:すべての回で高城将一さん
敵兵頭:東京公演と千葉公演 川村英さん、板橋公演 二村誠俊さん
2016年1月10日板橋公演の感想
座席は、センターブロック5列でした。
開口部が広く、後方席が舞台まで遠い、公共ホールにおいて、かなり条件がよい席で観たと思います。
ひろめ屋は、一見町の人たちの一人なのですが、
物語の進行役として、すべての出来事を中からではなく、常に外から物事を見ている存在です。
飯村さんのひろめ屋は、商人でも職人でもない、ちょっと堅気ではない感じや皮肉な目線を持っている、
「外の人」の感じがよくわかります。
いなせで、色気もあって、かっこいいひろめ屋です。
ところどころ、ひろめ屋のセリフに音楽がかぶってやや聞き取りにくいところがあったのですが、
公共ホールは、人の声を使う出し物向けの音響でないところが結構あるんですよね。
ひろめ屋が人々に「この町にゾウという不思議な生きものが来る」というニュースを伝えている最中に登場する太郎坊。
「え、なになに?ゾウって?」と好奇心いっぱいです。
小林さんは背が高くて声も大人っぽいので、10歳の子供というよりは12、3歳の少年、のイメージですが、
笑うとかわいいし、子供の純真さは伝わってきました。
10月から動物園に通ってゾウを見るようになったこともあり、
今回が4回目で、物語の結末を知っていることもあり、
中央に集まっていた町の人々が左右にはけて、
唐の国のお使いに連れられた九郎衛門の姿を見ただけでもう、泣きそう(いやいや)。
初めて見るゾウの大きさと鼻が長い異様な姿に腰を抜かしている人々に、
唐の国のお使いが「大丈夫、大丈夫」と話しかける(中国語なので正確な単語は分からないけれど)ところでは、
高城さん、以前よりも舞台前方まで出てくるようになっていました。
さて、高井さんの殿さまです。
高井さんと言えば、「オペラ座の怪人」ファントム役、オペラ歌手出身の方です。
殿さま役は、2幕では九郎衛門を助けることに反対する村人、松蔵役でもありますが、
どちらも歌のソロがない芝居役です。
これまで見ていた鈴木周さんの殿さま・松蔵は、人間のいやらしさや打算が見える感じでした。
高井さんは、どちらの役も、一理はある、というか、立場が違う人、という感じがしました。
高井さんはセリフ声も、コーラスに入ったときの歌声も、当然ながら響きがよいですね。
実は日本語も理解できる唐の国のおつかいは、殿さまににゾウの世話役を申しつけられらた太郎衛門が断りそうになると、
気づかわしそうな表情になります。
家老が太郎衛門に「ゾウ小屋や食べ物の心配はしなくてよい」と言うと「それなら、まあ」となるのですが、
おゆきはまだゾウのことを「化けもの」と怖がっています。
その話の間に、唐の国のおつかいは、太郎坊に「ゾウにのってごらん」と勧め、周りの大人が手伝って太郎坊は九郎衛門の背に乗ります。
唐の国のおつかいとしては、命令で仕方なくではなくて、
太郎衛門一家が本心からゾウを受け入れるよう、太郎坊と九郎衛門を近づけたのではないかと。
したたかな外交官ですが、九郎衛門のことは本当に大切にしている感じがするんです。
休憩時間には、子供たちの「本物のゾウなのかなあ?」「ちがうよ、足が曲がるとぐにゃってしていた」の声が。
7、8歳の子供には客席から舞台、の距離で見ると、どっち?と迷うくらいのリアルさではあるようです。
2幕は雪解けを待つ北の村の光景から始まります。
吉谷さんは、このゴンじいの他、優しいおじいさん、という役が多い方です。
いらっしゃるとお芝居が安定しますね。
九郎衛門のことでは「嫌な人」に見える松蔵・七郎もふくめ、みんな協力しあって生きている山間の村の様子が描かれます。
雪の中で凍死しかけている九郎衛門が、日本に来るまでのことを思い出している場面、
インドのお祭りで、センターで踊るのが、敵兵頭でもある二村さん。
意識して観たのは初めての俳優さんですが、整ったお顔立ちで、ダンスもいい感じですし、これから人気が出そう。
インド人役の男性はターバンに、上半身裸で茶色のネットの衣装を着けてインドの人の褐色の肌に見せています。
後方に岡崎さんと小松さんがいるのを発見。
小松さんはお顔でわかり、岡崎さんはひげで。
お二人ともダンサー枠ではないので、たくさん踊るわけではなく、九郎衛門の飾りをつけかえたりする役割でした。
中国の雑技団場面では、高城さん以外にも、男性ですごいアクロバットな人がいました。
小柄な人なのですが、誰だったのだろう?城下町の場面で、大人の中で九郎衛門に最初に触りに行くシマシマ父ちゃん役の野口さんだったような気もするのですが。
雑技団の花形、高城さんの200度開脚は、今回はさらにそこからぐぐっと10度は開いていました。あの、高城さん、どういう股関節なんでしょうか?
周囲の四季ファンと思われる方たちの「おおっ」と息をのむ感じが伝わってきました。
昨年12月に公演を見た方が、
村人たちが九郎衛門を蘇生させるために布でこすった後、その布で顔を拭いていた・・・というレポをされていたので、
今回、思わずガン見してしまいました。
ゴンじいを含む3人の人が、顔を拭いていました。
ゾウを拭いた布・・・
でも、泥浴びした後のゾウを拭いたわけではなく、
雪まみれで冷え切ったゾウを乾布摩擦して、やっと意識が戻って、思わずほっとした、という場面ですし、
当時の農民にとっては牛や馬は家族のようなもので、そういう感覚なのかもしれません。
千葉でも感じましたが、東京公演の印象と比べると、九郎衛門、動きや表情が大きくなったと思います。
私が座った席のあたりは、会員先行予約をしたと思われる大人だけのお客も多かったのですが、
ラストはあちこちから泣いている気配が感じられました。
フィナーレの前、自由劇場では、ひろめ屋以外のメインキャストは客席通路に出てきたのですが、
今回は舞台の上に並びました。
カーテンコールの最後に、九郎衛門役の俳優さん2人が、黒子姿で登場し、背中を向けると「九郎」「衛門」となっているのですがこの人たちが九郎衛門を動かしていたこと、子どもは何歳くらいから分かるのかな?
ファミリーミュージカル恒例のロビーでのお見送りは、
今回は2階ロビーと1階ロビーに分かれていたようで、太郎坊、おみよ、おゆき、殿さまなどは1階では見かけませんでした。
板橋区民文化会館は1階ロビーが狭くて、お見送りはすごく混雑した感じになっていました。
俳優さんを知らなくても小さな子供は忍者の扮装などは「かっこいい」と思いますもんね。近くに行ってさよならしている子が多かったです。
唐の国のおつかいの衣装の高城さんが、小さな子に、「ありがとーさよならー」と、手を振っている様子がかわいい。
(しかし、返す返すも、この衣装の清川晶さん、文永傑さんを見たかったなあ。)
私は、出口近くにいた、九郎衛門役の寺尾さんと東さんに、お声がけすることができました。
私は今回の観劇が最後になりますが、
全国公演最後まで、みなさん健康に気を付けて頑張ってくださいね。
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