「むかしむかしゾウがきた」ストーリー 第2幕
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5分
劇団四季ファミリーミュージカル「むかしむかしゾウがきた」のストーリー、第2幕です。
なだれに巻き込まれたおゆき、太郎坊は、おミヨの村の男たちに助けられ、村に運ばれました。
意識を取り戻したおゆきと太郎坊は、
「ふたりは大きな岩の下にいたので幸につぶされなかった」という男たちの話を聞き、
九郎衛門に助けられたことを知ります。
そして、まだ雪の中にいる九郎衛門を助けに行かなければ、と訴える太郎坊ですが、
殿さまの命令に逆らうことを恐れた村人たちはその場から去ってしまいました。
しかし、おミヨが「ゾウも私たちも同じ命を持っている」と訴え、
祖父のゴンじい、与作と、太郎坊たちを助けた二人の男は、
一緒に九郎衛門を助けよう、と言ってくれました。
一方が山に向かう間、雪の中の九郎衛門は生死の境をさまよいながら、
子どものころのことを思い出していました。
幼いころを過ごしたインドのジャングル。
人に飼われるようになって見た、インドのお祭り。
中国の雑技団で、曲芸をしながら旅をしたこと。
この場面は、ジャングルのフラミンゴやトラの踊り、
インド舞踊、中国雑技団のアクロバット、と
さまざまなテイストのダンスの見せ場でもあります。
「唐のくにのおつかい」を演じた中国人俳優さんが雑技団の団員として登場しますが、
京劇風のメイクも、アクロバットもさすがにはまっています。
やがて九郎衛門に、太郎坊や村人たちの声が聞こえてきます・・・
人々は、冷え切った九郎衛門の体を布でこすって必死に温めようとしていました。
ようやく九郎衛門が意識を取り戻し、ほっとしたところに、
ゾウを助けることに反対した松蔵、七郎がやってきて、
「殿さまの命令に逆らったら打ち首だ」と言いますが、
ゴンじいは、「縁切になってもかまわない。俺は一度引き受けたことはやり通すんだ」と言いかえし、
与作ととともに、春まで山の百仏堂で九郎衛門をかくまおう、と言います。
そして、太郎坊と九郎衛門を残し、
村に食べ物やわらを取りに降りていくのですが、
おりしも、村には南の国の兵が攻め込んでおり、
ゴンじい、与作、おゆきも捕まってしまいます。
冬越しのために備蓄した食べ物を出さないと1人ずつ殺す、という言葉を聞いたおミヨは、
太郎坊のもとに急ぐのでした。
おミヨの話を聞いた太郎坊は、九郎衛門にじっとしているように行って、
2人で村に向かいますが、親切にしてくれた人たちの危機を察した九郎衛門は、
力を振り絞って後を追います。
そして村に着いた九郎衛門が、敵兵を蹴散らし、村人たちは助けられます。
九郎衛門を助けることに反対した松蔵も、他の村人も九郎衛門、おゆき・太郎坊に詫び、
松蔵の家の納屋をゾウ小屋にして、村で大切に九郎衛門を飼おう、
おゆき親子も戦が終わるまでここで一緒に暮らそう、ということになりました。
しかし弱った体で最後の力を振り絞った九郎衛門は
勧められた芋も食べず、倒れて、そのまま息を引き取りました。
お話としてはここで終わりで、幕、となります。
実は四季のファミリーミュージカルは
ハッピーエンドではなく、問題を投げかけて終わるものが多いのです。
「むかしむかしゾウがきた」では、この後、幕前にひろめ屋が現れ、
客席通路には太郎衛門、おゆき、太郎坊、おミヨ、ゴンじいたちも出てきます。
ひろめ屋が、人間の都合でインド、中国、日本と旅してきた九郎衛門の一生を振り返り、
九郎衛門は私たちの心の中で生きている、もう一度九郎衛門に呼びかけてみましょう、
と客席に向かっていいます。
「九郎衛門!!」という声で、幕が開き、舞台には九郎衛門が。
そしてカーテンコール、となります。
最後に、九郎衛門の中で操作をしていた二人の俳優さんも黒子姿で登場します。
ファミリーは、かならず出演者全員がロビーでのお見送りをしますので、
そこまでが「舞台」ですね。
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